建設業法等改正法の完全施行について
建設業法等改正法の完全施行について
建設業における適正な労務費の確保と価格の適正化を目的とした「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」の改正規定が、令和7年12月12日に完全施行されます。
背景

国土交通省によると、今回の改正に至った背景は以下のとおりです。
- 建設業は他産業に比べ賃金が低く、長時間労働が続く傾向にあるため、担い手の確保が難しい状況にある。
- 地域インフラを支える「地域の守り手」として役割を果たし続けるため、働き方改革や生産性向上、処遇改善が求められている。
概要
第213回国会で成立した改正法は、公布後1年6ヶ月以内に施行日を定めることとされています。これに基づき、施行期日が令和7年12月12日に決定されました。同時に、国土交通大臣等による勧告対象となる請負契約の下限額に関する政令も閣議決定されています。
主な改正規定
- 受注者に対し、不当に低い請負代金や著しく短い工期での契約締結を禁止。
- 見積書に記載すべき項目を明確化。
- 見積金額を著しく下回る契約を行った発注者への勧告・公表制度を新設。
- 入札金額の内訳書に記載すべき事項を明確化。
勧告対象外となる工事
請負契約金額が以下を下回る場合は、勧告の対象外となります。
- 一般工事:500万円
- 建築一式工事:1,500万円
工事費の試算
「公共工事設計労務単価」には、以下の目安人件費が掲載されています。
- 板金工(京都府):40,600円/日
- 屋根ふき工(長野県):47,100円/日※京都府は掲載無し。
屋根ふき工を1日3名、20日間配置し、人件費率30%の場合の試算は以下のとおりです。
- 人件費:2,826,000円(47,100円 × 3名 × 20日)
- 工事代金:9,420,000円(2,826,000円 ÷ 30%)
上記は主体的業務従事者のみを前提とした試算であり、実際には補助者を含むため金額は低減する可能性があります。
用語説明
- 板金工:板金加工および屋根ふき作業について技能を有し、主体的に業務を行う者。
- 屋根ふき工:瓦ぶき、スレートぶきなどの屋根ふき作業に必要な技能を持ち、主体的に業務を行う者。
引用:国土交通省「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価」
顧客への影響
今回の制度改正は施工会社のみならず、発注者にも影響を与えます。主なポイントは以下のとおりです。
- 適正な労務費が反映されるため、工事価格が適正水準へ是正される可能性がある。
- 技能者の定着・育成が進むことで、地域における建設サービスの安定供給が期待できる。
当社は本改正を踏まえ、見積内容の透明化、適正な労務管理、安全性と品質の向上に継続して取り組み、地域社会への安定したサービス提供を推進してまいります。




