瓦屋根とは|種類や歴史、特徴を京都で創業150年の老舗が解説
瓦屋根とは
本来、瓦は粘土を高温で焼き締めた陶器質の屋根材です。
かわらミュージアムに展示されている八幡瓦(滋賀県近江八幡市)が有名です。
現在は語義が拡大し、屋根に載せるもの全般(プレスセメント瓦、コンクリート瓦、化粧スレート、天然スレート、金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等))を指すことがあります。
これらを本来の瓦と区別する為、「かわら」と呼ぶ場合があります。
かわらの例
当店で施工させていただいた「かわら」です。
当店が創業した1866年(慶應2年)は屋根=日本瓦でしたが、現在は用途・耐久性・予算等により多様化しています。
瓦(粘土瓦・陶器瓦・日本瓦・本瓦)
従来の和風タイプに加え、洋風タイプもございます。
瓦窯での焼成
昔ながらの瓦屋は、田等から粘土を採集し、自社の瓦窯で瓦を焼成していました。
下記は瓦を製作する道具と焼成した鬼瓦です。
プレスセメント瓦・コンクリート瓦(モニエル瓦)
セメント瓦は、セメントと砂を高圧プレスし固めたものです。
コンクリート瓦は、セメント・砂・砂利などを固めたものです。
高圧プレスはしません。
安価ですが、塗装が剥げやすいことがデメリットです。
現在は、大幅に数が減り、数社のメーカーが製造するのみとなりました。
化粧スレート・天然スレート
化粧スレートは、セメントにパルプを混ぜたものです。天然スレートを模して製造されています。
厚み5〜6㎜の板に塗装が施しされており、ケイミュー株式会社の商標である「カラーベスト」・「コロニアル」と呼ばれることがあります。
安価ですが、定期的なメンテナンスが必須です。
左と右の屋根に使用されています。
天然スレート
天然の石(玄昌石等)を層に沿って薄い板状に加工したものです。
自然由来の味わいがありますが、非常に高価である為、主に東京駅等の文化財で使用されます。
金属(銅、トタン、ガルバリウム鋼板等)
金属板を切断・折り曲げたものです。
金属板を葺く方向によって横葺きと縦葺きがあり、金属の種類として古くはトタン、現在はガルバリウム鋼板を用いた屋根が主流です。求める性能や意匠、立地条件などにより、アルミ・ステンレス・チタン・銅板なども用いられています。
中t央の屋根に使用されています。