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鬼瓦と鍾馗(しょうき)さん 京都の歴史

鬼瓦と鍾馗(しょうき)さん 京都の歴史

昔はどの家にも鬼瓦や鍾馗さんがあり、日本家屋の象徴でした。
当社は1866年(慶應2年)に京都で瓦の窯元として創業し、現在も京都全域で瓦工事を行っておりますが、最近では設置率が大きく減っております。
しかし、現在でも屋根の重要な要素であることには変わりありません。

家族への祈りがこもった鬼瓦

意外かもしれませんが、世界遺産パルミラ(シリア)の入口の上に厄除けとしてギリシャ神話のメドゥーサ(ゴルゴネイオン)を設置していた文化が、シルクロード経由で中国に伝来し、その後中国で鬼に変化し、鬼瓦となったと言われています。

現在でも、「厄除け・魔除け」の目的で設置されています。
他にも、屋根を雨水から守る実用的な意味や富の象徴(鬼瓦・棟が大きい=裕福)として設置されています。

出展:英四郎瓦株式会社HP

デザインは、家を守る祈りを込めたもの(火事を消す水・雲等)や幸運をもたら願いを込めたもの(打ち出の小槌や子孫繁栄のネズミ等)等があります。
既製品だけでも数十種類ありますので、ご興味のある方は製造メーカーHPをご覧ください。
また、鬼師と呼ばれる職人にオーダーメードで依頼する方法もあります。

当社オーダーメイド制作例(現代の名工)

鬼より強い鍾馗(しょうき)さん

瓦屋根に乗っている人形のようなものです。

いわれは諸説有りますが、現在京都で唯一、鍾馗を製造している浅田製瓦工場によると、唐の時代に皇帝が病に伏している時に、夢の中に現れた鬼を鍾馗さんが退治し、病気が完治したことから祭られるようになったようです。

中国は「唐」の時代に遡り、第六代皇帝「玄宗」が 病に臥している時のお話です。

玄宗の夢の中に一匹の小さな鬼が現れ、玄宗の玉笛とを 妻「楊貴妃」の匂い袋盗もうとしました。 鬼の手が玄宗にかかろうとした時、髭面の大男が現れ鬼を引き裂いてあっという間に退治してしまったのです。

夢の中に現れた髭面の大男は「鍾馗」と名乗り、玄宗に跪いて「科挙の試験に失敗したことを恥じ、自ら命を絶ったにもかかわらず、帝に手厚く葬っていただいたことを感謝しております。今日はその恩に報いるため参りました。」と話した。

玄宗が夢から覚めると病はすっかり癒えて元気になっており、鍾馗が鬼を退治し帝の病が癒えたという話は、 あっという間に国中に広まり、髭面の鍾馗は道教の神として祭られるようになったということです。

引用:どうして鬼より強いとされているの? 浅田製瓦工場

また、京都で広まった理由ですが、ご近所との関係を大事にする京都人の性格によるもののようです。
悪い物が直進するという考え方は中国から伝わった古い風習ですが、沖縄の石敢當(いしがんとう)を経由し京都に伝わり、現在でも「鬼より強い鍾馗さん」として親しまれる姿は、歴史を感じます。

昔、京都の三条に薬屋が新しく店を構えて大きくて立派な鬼瓦を葺きました。するとお向かいの奥さんが原因不明の病に倒れてしまいます。病を治そうと原因を探ると、薬屋の立派な鬼瓦により跳ね返った悪いものが向いの家に入ってしまうからだということがわかりました。 そこで鬼より強い鍾馗さんを伏見の瓦屋に作らせ、魔除け・厄除けに据えたところ病が完治したというのです。

それ以降、京都では鬼瓦の対面に鍾馗さんを据えるようになったようです。

そんな謂れの鍾馗さんですが、どうして京都中心に広がったのかというと、向かいの家が鍾馗さんを上げると、 文句は言わず黙って同じように自分の家にも鍾馗さんを上げるという京都人の性格にもあったようです。 ただ、ご近所同士にらみ合いにならないように正面を向いていない鍾馗さんも多く、他にも微笑み返しとしての「おたふく」を対面に据える場合もあるようです。

引用:何故、京都を中心に広まったの? 浅田製瓦工場

なお、窯元の浅田製造瓦工場ではインターネットで販売されています。

人見製瓦所

当社は慶応2年(1866年)、日本瓦の原料となる清浄な水と土を求め、京都府の氷所(現:南丹市)に日本瓦の窯を開きました。

開窯の地 氷所は朝廷の氷室(氷を貯蔵し、夏に献上する場所)があったとされます。
その清らかさから、2019年の大嘗祭(だいじょうさい)では主基殿・主基田(すきでん)として祭殿・神饌(しんせん)をお作りする田として選ばれました。

引用:日本農業新聞

数寄屋造りや伝統建築をお考えの方へ

地元京都で150年続く屋根の専門家である当社にとって、最も得意な屋根です。

現代住宅と比べて寺社に近い複雑な造りになっています。
だからこそ非常に高度な技術が必要になりますが、完璧な修理をすれば長持ちし風雅な趣となります。

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思い出のある鬼瓦は、再利用できる場合があります。

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